『Arc Raiders』開発元CEO、AIボイスを人間の声に録り直しと認める。「プロの声優の方が上。それは当然のことだ」
Arc RaidersのCEO Patrick Söderlundが、AI生成ボイスを人間の声優で録り直したと認めた。「プロの声優の方が上」と率直に述べ、AIは内部テスト用と位置づけ直した。
Embark StudiosのCEO、Patrick Söderlund氏が、同社のオンライン抽出シューター『Arc Raiders』において、AI生成ボイスラインの一部をリリース後に人間の声優で録り直したことを認めた。「プロの声優の方が上。それは当然のことだ」と率直に語っている。
AIボイス実装の経緯
『Arc Raiders』は2025年10月のリリース時から、一部のシステムボイス(ピングシステムなど)にAI音声合成を使用していた。大部分のキャラクターダイアログや重要な演技シーンは人間の声優によるものだったが、没入感を損なうとしてコミュニティから批判を受けていた。
CEOの発言
Söderlund氏はホストとのインタビューの中で次のように述べた。
「クオリティに差があることは事実で、リアルなプロの声優の方がAIより優れている。それは議論の余地がない。現在、ゲームにはローンチ時より少ないAIボイスラインしか含まれていない」
同氏はまた、Embarkが声優に対して録音の報酬を支払うとともに、没入感に直結しない「機能的なライン」については音声合成ライセンスの使用許諾料も支払っていると説明した。AIは「生産ツール」として内部テスト用に使うものであり、声優の代替を目的にしたものではないとの立場を強調している。
ゲーム業界への示唆
『Arc Raiders』の事例が注目されるのは、開発者自身が率直に「AIより人間が上」と認めた点だ。声優の権利保護を巡る議論が続く中、ゲームAIをめぐるトレードオフを公式が明言した例は多くない。
また、SAG-AFTRAがCapcomに「Do Not Work」命令を出した件(2026年3月)と合わせて考えると、ゲーム業界全体がAIと人間の声優の役割分担を模索している時期にある。Embarkのアプローチ——AIをプロトタイプに使い、製品版は人間で置き換える——は、一つの落としどころとして議論になりそうだ。
ソース: Kotaku